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眠るための夜ではない

日々綴った詩を更新してます。

2018.12.23 Sun

雲が雨に追いつく
溶け合った二つの傘は
歪な空気をまとう

生易しい幻想では
そろそろ繕えそうにもない
こびりついたさびしさは
もはや皮膚の一部になっている
いやあるいは

それが私の形であったのかもしれない
それがあなたの形であったのかもしれない
生まれてこのかた

晴れ雨の空に虹がかかる
言い様のないむなしさを堪えて
街は輪郭を保つ
行き交うため息と言い訳にも
そっと微笑みながら

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2018.12.23 Sun

いのちが運ばれていく
みずの流れにそって

そこかしこで 出会い
別れていくもの
おなじひとつのたましいを
生きながらえさせるために

絶たれたいのちもいつしか
そこで溶けこむように

2018.12.22 Sat

皮膚というもののばかばかしさを
嘲笑うようにこの壁のシミはただそこにある
過去も今も未来も あらかじめ
全てが配置されていたように

雨は止まないだろう
今日中には
アップテンポでアナウンサーは言う

もらった傘を差して出かける
思わず散らした水たまりに
穏やかな空が歪む

2018.12.22 Sat

流行りの音楽に合わせて
濡れた欄干に映える
タバコの煙を目で追う

ビルの隙間から覗く
赤と白のキリンを数えて
穏やかな朝は引き延ばされる

撫でるような雨に抱かれ
通りを駆け抜けるせわしない自転車ですら
今だけはどこか 夢物語めいて

いつかの水面を打っていた
始まりの風も また
こんなに優しかったろうか

2018.12.22 Sat

しわがれた赤ん坊の手を握る
白髪混じりの産毛を
染みだらけの柔肌を

長い睫毛を縁取る涙はいやに美しく
それでいて卑しい
その卑しさがあなたをつくる
生命のふしぎ
わたしだけが知っている

海も空も超えた遠く
二人だけのベッドにあなたを横たえて
やわらかくゆすり続けたい
そこであなたはわたしの他によるすべもなく
ただ泣いているだろう
健気な子鹿のように

シルクとレースの生易しい毒に抱かれて
あなたはわたしを呪うだろうか
今更にそれも構わない
ひと匙の粥を差し出す

悲哀などここにありはしない
わたしの腹の中であなたはとぐろを巻き
いつしかこんこんと眠る
春先の豪雨も秋末の突風もいつしか遠く
夢の靄の向こうでほのかに囁く

昼と夜を跨ぎ
過去と未来を跨ぐもの
やすらぎの蝶はあなたの中を旋回してとまる
わたしの魂の終わりに
やがて この哀れな小指の先に