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眠るための夜ではない

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2015.01.03 Sat

唇とうわ言
朝の寒空を行き来する
はぐれ雲の横顔に、口紅で描いた

銀杏色のコートの
袖口をさすって君が笑う
ずいぶん待たせたね
謝る僕の唇もまた
手袋のない君の指先と同じくらいに
かじかんでいるのである

音もなく忍び寄る
春の気配に押しやられていくのがわかる
冷え切った真夜中の線路を
邪悪な軋みを上げて列車はやってくる

呻きは色になる
透き通るような指先で
君があの夜空から取ってくれた満月も
今はただこの朝にほだされる
無遠慮な革靴に踏みしだかれながら

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