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眠るための夜ではない

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2016.02.26 Fri

誰でもない人が
また私の皮を被って出かけてゆく

歩道をわたり
電車にゆられ
道草をしたり
つまみ食いをしたりしながら
今日もちゃんと職場に着く

誰でもない人が
私の皮を被りながら考えることは
あなたの皮をかぶった
やはり 誰でもない人のこと

ポケットにハンカチ
手首に腕時計
大きめのイヤリングと
控えめな結婚指輪
そんなところ

夜になれば
私は私の皮を脱ぎ
あなたはあなたの皮を脱ぎ
誰でもない人と
誰でもない人のまま
誰でもない身体をさぐり合う

薄暗い蛍光灯
うっすらと指先のさかむけ
いずれは 剥がれることもなくなるのだろう
私に言い聞かせる
あなたに言い聞かせる

誰でもない人が
また私の皮を被って出かけてゆく
通りすがりの稲荷神社
鼻唄で幸運を祈りながら

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