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眠るための夜ではない

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2016.03.28 Mon

湯船に船が沈む
小さな波紋を立てて
ヒトデが溺れもがいている
鈍色の湯気にのまれながら

浴室一杯に広がるこの星空を
抱き締めて底の方まで潜っていく
腕も足もいらない場所
目も耳も役に立たない場所

遠いところへ旅立つような
懐かしい場所へ還るような
全ての生きものに忘れ去られていくような
何度でもこの身体に生まれなおすような

曇りガラスに映る
ぼやけた月がお辞儀する
熟れ腐った夜の
湿気を含んだかおり
それを想い出す
賞味期限の切れた記憶
忘れかけていた女の長い睫
それを思い出す

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