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眠るための夜ではない

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2016.06.08 Wed

僕だけの夜を探している
ひしゃげた水たまりに
ただれた街の明かりに
よどんだ老婆の吐息に
借り物の住まいのように

僕だけの夜を探している
絶対零度の孤独
強靱な膜に覆われて
閉じ込められているのか
守られているのか
それすら分からなくなるまで

かつては誰にでも
自分だけの暗闇があった
余すところなく包み込んで
上も下もなくなるまで
僕もあなたもなくなるまで
「ひとり」だけが在った

僕だけの夜を探している
本当は分かっている
嗄れた声が耳の裏で囁く
春に暴かれた柔な心だけが
逃げ惑い、焦がれて
朝の予兆に怯える
すぐそこに迫った
「ふたり」の可能性に
縮みあがり
慄く
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