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眠るための夜ではない

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2018.12.22 Sat

しわがれた赤ん坊の手を握る
白髪混じりの産毛を
染みだらけの柔肌を

長い睫毛を縁取る涙はいやに美しく
それでいて卑しい
その卑しさがあなたをつくる
生命のふしぎ
わたしだけが知っている

海も空も超えた遠く
二人だけのベッドにあなたを横たえて
やわらかくゆすり続けたい
そこであなたはわたしの他によるすべもなく
ただ泣いているだろう
健気な子鹿のように

シルクとレースの生易しい毒に抱かれて
あなたはわたしを呪うだろうか
今更にそれも構わない
ひと匙の粥を差し出す

悲哀などここにありはしない
わたしの腹の中であなたはとぐろを巻き
いつしかこんこんと眠る
春先の豪雨も秋末の突風もいつしか遠く
夢の靄の向こうでほのかに囁く

昼と夜を跨ぎ
過去と未来を跨ぐもの
やすらぎの蝶はあなたの中を旋回してとまる
わたしの魂の終わりに
やがて この哀れな小指の先に

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