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眠るための夜ではない

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2011.02.07 Mon no title

あんぐりと開いた夜の口を覗き込む

立ち並ぶ歯と歯の隙間から

暗闇より尚黒い舌が見える

その奥から吹き付けてくる息の匂いを

私はどこかで知っている


名前のないものに臆して

顔のないものに怯んで

逃げても逃げても それは背中に張り付いている

引き金にかけた指を「勇気」と呼ぶほど幼稚ではないけれど

この広くて深い海を一人で泳ぎ切れるほど 強くもない

窓から見下ろす景色は白く 雪に埋もれて

何もかもを無意味に帰す


それでも縋り付く腕の温度は

抱きしめている横顔は

どうしようもないほど いとおしくて

実はもうわたし 死んでいるのかも知れない

本当のことを教えてくれる人などいなくて


それでも尚昇る朝日の美しさを

そこに見る遠い記憶と泣きたくなるような激情を

美しいと思わずには いられなかった


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