FC2ブログ

眠るための夜ではない

Home > 未分類 > no title

2013.04.12 Fri no title

「誰のためでもないのよ」

「本当はね」

知っていたけど今更に伝えられて

私は笑うしかなかった

つられたみたいに


黄金色の明かりに集められて

飛び回ってる昆虫が

冷たいコンクリートに陰を落とす

その向こうにお母さんはいる

その背中がどんどん小さくなっていくのを

止められない

このときほど自分が子どもであることを

思い知ったことはない


いつからか

後悔することが、恐ろしかったのは

きっとあの人のせい

10年後の夏

湿ったベッドの上で私は男の人に言う

この人は私の父に似ている

そのときの私は知らない


「へぇ、そりゃすごいねぇ」

男の人は言う

その人の喉仏は膨らんでいる

男の人だから 当たり前のことなのに

私は惚れ惚れしている

馬鹿みたいに


「お前のためだよ」

「本当に」

この世界の本当の姿は、

黄金色の明かりよりももっとずっと

難解なものでもあるのに

すっかり忘れて私は笑う

面白いことなどないのに

つられたみたいに

スポンサーサイト



Comments

name
comment
comment form
(編集・削除用) :
管理者にだけ表示を許可